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液体燃料ロケットでは、燃料供給系の流量変 動、推力変動、および構造振動が連成した、 POGOと呼ばれる不安定現象が生じることがあ る。POGOの発生を予測するためには、燃料 を供給するポンプの上流と下流における変動流 量および変動圧力の関係、すなわち動特性を把 握する必要がある。また、POGOの予測に加え て、インデューサに生じるキャビティの動特性 を表すキャビテーションコンプライアンスとマ スフローゲインファクタは、キャビテーション サージや旋回キャビテーションといったキャビ テーション不安定現象の発生原因を理解する上 でも重要なパラメータとなっている。 非キャビテーション状態に対しては、大橋が 理論解析と実験によって、流量変動に対する揚 程の位相遅れが生じる臨界周波数を明らかにし た。キャビテーション状態におけるポンプの伝 達マトリクス、キャビテーションコンプライア ンス、マスフローゲインファクタに関する研究 は、BrennenとAcostaによって行われた翼面キャ ビテーションの準静的な挙動に関する研究が 最初であり、その後もさらに実験的研究がすす められた。しかし、実験では微小な変動流 量を精度よく計測することは困難なことなどの 理由で、系統的な研究例は限られる。近年では、 RubinがBrennenらの実験結果を再検討し、伝 達マトリクスに対する実験式を与え、複素数の キャビテーションコンプライアンス、マスフロ 642 キャビテーション発生時のインデューサの動特性計測...(1) Click to show full abstract